今日は、鹿児島県に伝わる、ある「教え」を紹介したいと思います。
それは、「薩摩の教え」と呼ばれ、西郷隆盛や大久保利通などの優秀な人材を生み出す基礎となったと言われたりしています。また、現代では企業家の心構えとして使われる場合もあります。
大阪府の吉村知事もツイッターで好きな言葉だと公言していました。
孫会長が坂本龍馬好きなのは有名な話です。僕も龍馬ファンです。「薩摩の教え」も好きですね。評価されるべき人の順序。
— 吉村洋文(大阪府知事) (@hiroyoshimura) 2020年5月16日
1位 自ら挑戦し、成功した者
2位 自ら挑戦し、失敗した者
3位 自ら挑戦しなかったが、挑戦した人の手助けをした者
4位 何もしなかった者
5位 何もせず批判だけしている者 https://t.co/GZHmE5ALwt
それでは、薩摩の教えについて詳しく説明していきます。
薩摩藩
現在の鹿児島県と宮崎県の一部、それと沖縄(琉球)を統治していたのが薩摩藩です。
薩摩藩は外様大名ですが、石高は90万石もあり、幕府に対して強い影響力を持っていました。(90万石は加賀藩に次いで2位)
幕末には、西郷隆盛や大久保利通を中心に、明治維新の原動力となり、近代日本の基礎を作り上げました。また、日露戦争で勝利をもたらした東郷平八郎も薩摩出身です。
薩摩は、焼酎やサツマイモも有名ですが、昔から優秀な人材の宝庫なのです。
島津義弘
「薩摩の教え」を残したと言われているのは、戦国大名の島津義弘です。
島津義弘は、豊臣秀吉や徳川家康にも武勇を称えられた武将で、朝鮮出兵では、明軍や朝鮮軍に「鬼島津」と恐れられるほどでした。
関ヶ原の戦いには、西軍として参加し、西軍が壊滅、敗走を始めたときにも、島津軍だけ撤退せずに、徳川家康の本陣目指して突撃し、後に「島津の退き口」と呼ばれて全国に勇名を轟かせました。
↓島津の退き口
島津の退き口
石田光成率いる西軍が、徳川家康率いる東軍に敗れ、西軍は次々に敗走。その中で島津義弘の軍(約300人)は敵の中(約80,000人)に孤立してしまう。
300人で80000人の敵の中に孤立。
まさに絶体絶命の状態。
私なら秒の速さで「ごめんなさい。許してくだせえ。」状態だろう。
いや、そもそももっと早くにスタコロサッサと逃げ出していた可能性が高い。
しかし、島津義弘は違いました。
義弘は尋常では考えられない判断をするのです。
島津義弘「敵の勢いが最も強いのはどこだ?」
家臣「東側の敵勢が尋常でなく強いです。」
島津義弘「その中に突っ込め!!!」
このとき他の西軍は壊滅、敗走中で、戦闘はほとんど終結していました。
にもかかわらず、島津軍約300人は敵軍約80,000人に向かって突撃したのです。
普通なら即壊滅、即返り討ち、即死。
「300人 vs 80000人」は漫画の世界でも厳しい。
しかし、島津軍は徳川本陣の目前まで一気に突破。そのまま脇をすり抜け一直線に駆け抜けました。
その後の東軍の追撃もすり抜け、島津義弘はそのまま大阪を経由し、堺の港から船で薩摩まで辿り着きました。
このとき、義弘の周りにいたのは約80人だったと言われています。
この勇猛さが認められたのか、島津家は西軍で唯一、本領安堵(領地がそのまま)となる。
家康「300人であの強さなのに、薩摩には万単位でアレがいるんだろ?」
家康「いいよ、ほっとけよ。怒ったらめんどいよ。そのままそっとしとけよ。」
という感じだったのかもしれないですね。
ちょっと話が脱線しましたが、そんなスーパー勇猛な戦国武将島津義弘が礎を作ったのが薩摩藩であり、残した教えが「薩摩の教え」なのです。
薩摩の教え・男の順序
≪薩摩の教え≫
- なにかに挑戦し成功した者
- なにかに挑戦し失敗した者
- 自ら挑戦しなかったが、挑戦した人の手助けをした者
- なにもしなかった者
- なにもせず批判だけしている者
上のとおり、「薩摩の教え・男の順序」とは、評価されるべき人を5段階で示した教えです。
見れば分かると思いますが、「とにかく挑戦せよ!」という教えです。
その次に、「自ら挑戦できないのならチャレンジャーの手助けをしろ」
さらに、それすらもできないのなら「批判せずに黙ってろ」ということを説いています。
なにもせずに批判だけしている人って現代にもいますよね。
薩摩の教えで学ぶべきこと
挑戦し成功した者と、挑戦し失敗した者
薩摩の教えでは、1番評価されるべきは「挑戦して成功した者」で、2番目に評価されるべきなのは「挑戦して失敗した者」となっています。
失敗した人より、成功した人が評価されるのは当たり前ですよね。
でも、なにかに挑戦して失敗しない人なんていません。
挑戦して失敗して、改善して、また挑戦して、それでも失敗して、さらに見直して、またまた挑戦して、それでもなお失敗して、またまたまた挑戦して・・・
成功は、失敗の繰り返しの後にあります。
エジソンはこう言っています。
「私は実験で失敗したことはない。上手くいかない方法を発見しただけだ。」
薩摩の教えで学ぶべきは、「成功しろ!」ということではなく、「成功するまで挑戦し続けろ!」ということなのだと思います。
自ら挑戦しなかったが、挑戦した人の手助けをした者
私はこのタイプではないですが、このタイプの人もありだと思います。
「自分ではちょっと。自分からはそんなことできない。」
誰でも、なんでもかんでも、
「挑戦!挑戦!」というのも息苦しいですよね。
- 誰かを支えるのが大好き。
- あの人の夢を応援したい、
- 最強のナンバー2こそ自分の生きる道。
こんな人もいるでしょう。
それはそれでいいと思うんですよね。
「薩摩の教え」では3位ですが、気にすることはないと思います。
チャレンジャーを手伝う、支える、応援する。
これはこれで良い生き方だと思います。
なにもしなかった者と、なにもせず批判だけしていた者
そして最後。
なにもしない人たち。
ここで言う「なにもしない」とは、「仕事をしない」「学校に行かない」ということではなく、「新しいことにまったく挑戦しない」ということです。
でも、さっきも言ったように、誰でも、なんでもかんでも「挑戦!挑戦!」というのも違います。
私はチャレンジが好きだし、常になにか新しいことを始めたいと思って生きてますが、そうじゃないとイケナイとは思わないし、そうじゃなくても幸せな人はたくさんいます。
だから、「なにもしない(挑戦しない)」というのも別にありだと思います。
世の中の人が全員こうなったら、人間の進歩が止まってしまって大変だと思いますが、「俺はやだよ。ゆっくり安定して楽に生きていきたいんだ。」という人が一定数いても全く問題ないでしょう。
「なにもしないことこそが自分の個性」というのもアリだと思います。
でも、ラスト。
「なにもせずに批判だけしていた者」だけは絶対になってはいけません。
あなたの会社や学校にもいますよね?
挑戦なんかしたことないのに、
新しいことなんかやったことないのに、
言われることをこなしているだけなのに、
新しいことに挑戦しようとする人を批判する人がいませんか?
解説者というか、評論家というか。
あー、あの事業ねえ。
あれは本当はもっとこうやってやるべきなんだよ。
あんなのが上手くいくわけがない。
本来あるべき姿は・・・
無理無理。
絶対無理だって。
ハハハハハ。笑
こんな風に他人のチャレンジにケチばっかつけてくる人っていますよね。
てか、戦国とか江戸時代にもこんな人がいたってことか。
それはそれでなんだか感慨深いものがあるな。笑
とにかく、多くを説明しなくても分かってもらえると思う。
「なにもせずに批判だけする人」には絶対になるな!!!
まとめ
ここまで「薩摩の教え」について書いてきました。
「薩摩の教え」は、ある意味で当たり前のことを説いている教えで、これに「反対だ!」と言う人はいないでしょう。
誰もが納得の教えだと思います。
でも、日々の忙しさや現実の難しさで、ついつい忘れてしまいがちなことでもあります。
知らず知らずのうちに、「批判だけする人」になってませんか?
挑戦する人に対して批判的な思考に陥っていませんか?
明るく、楽しく、自分らしく生きていくために。
「薩摩の教え」をずっと心に留めておきたいと思います。