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中年サラリーマン後悔と決意とつぶやき

次の総理大臣は誰になる?自民党総裁選の所見発表演説会全文②岸田文雄

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所見表明演説

岸田文雄

このたび総裁選挙に立候補いたしました岸田文雄です。

浅学非才でございますが、全身全霊を傾けて頑張ります。どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 

まず、1年間コロナとの戦いの先頭に立って、奮闘されてこられました菅総理に心より敬意を表します。

ワクチン接種を加速、2050年カーボンニュートラル、デジタル庁の創設、多くの実績を残されました。まことにありがとうございました。

 

そして、私は昨年の総裁選挙に敗れました。力不足でした。

そして何よりも総理総裁に対する確信というものが足りなかったと思っています。


しかし、今回は違います。

今の時代、求められているリーダーは、私である、強い確信をもってここに立たせていただいております。

総裁選に敗れ、多くの人たちが離れていくような気がしました。

 

「岸田の話はつまらない」「岸田はもう終わりだ」こういった声もいただいてきました。

 

夜、家に帰って、そういった厳しい声を振り返り、自分の政治家としての役割が終わってしまったのか自問する日々でありました。

 

原点に戻るということから、1年間多くの皆様の声を聴いてまいりました。

あるとき、地元広島の商店街で年配の女性に声をかけられました。お話を伺わせていただきました。新風香る穏やかな日でありました。

 

お話を伺って、話を切り上げようといたしましたらこう言われました。

「政治家の先生にこんなゆっくり話をきいてもらったんは初めてじゃけえ。みんな自分のことは言うけれど、話しは聞いてくれんけえ。やっぱ岸田さんだわ」

こういう言葉をいただきました。

 

この言葉を聞いたとき、はっといたしました。

厳しい批判にさらされている私でも、人の声をしっかり聞ける、聞く力を持っている、こうした特徴をあるんだということに気をつかせていただきました。

 

思い返してみますと、私は、多くの皆様のご意見を承り、そして、ここにあるこの小さなノートに書き続けてきました。これを読み返し、私自身なにができるのか、これを考え続けてまいりました。私にとってこのノートは大切な宝物です。

 

そして、1年間、国民の皆様からの声を振り返りますと、生活の苦しさを訴える切実な声と政治に対する厳しい指摘、これらでありました。

 

民政党であったはずの自民党に、声が届かないと国民が感じている、「信なくば立たず」政治の根幹である国民の信頼が大きく崩れ、我が国の民主主義は危機に陥っているのではないか、強い危機感を持つにいたりました。

 

今こそ国民政党として、国民の声を聞き、そして丁寧で謙虚な政治、多様な意見に寛容な政治が求められているのではないでしょうか。

 

新型コロナウイルスとの戦いが始まって、もうすぐ2年。
国民の皆様が大きなストレスを感じ、疲れを感じている今、求められている政治は、自分のやりたいことを「俺についてこい」と押し付ける政治ではありません。ましては「俺が正しいんだ」とねじ伏せることでもありません。

一人一人の国民の声に寄り添い、その多様な声を真摯に受け止めれる、そうした寛容の政治が求められています。

 

そして、我々保守政治の根本は、寛容の精神にあります。

私自身も含めて、我々は、欠点の多い不完全な人間ばかりであります。しかしそうした不完全な人間のありようを受け入れ、先人たちが築いてこられた地域の伝統・慣習・秩序を尊重しながら、様々な意見に耳を傾けつつ、一歩一歩より良い社会を作っていく、これこそが保守の精神です。

 

いま、コロナで疲れ、バラバラになりかけているこの国を、いま一度ワンチームにまとめ、みんなでこの国難を乗り越えていく、保守政治の原点に立ち返り、今こそ丁寧で寛容な政治を進めようではありませんか。

もちろん、私一人では実現できません。しかし、私には素晴らしい仲間がいます。いまこの瞬間も、不肖岸田のために汗をかいてくれる全国の党員の皆様がおられます。

 

自由民主党は人材の宝庫です。目立たずとも着実に仕事を重ね、成果を上げる同僚議員があちらにも、こちらにもいます。こうした皆様に光を当て、全員野球でチーム力を発揮することが大きな力になる、全員で力を合わせて、正々堂々とした政治を取り戻してまいります。

 

そのために、4つの視点から自民党改革を進めてまいります。

1つ目は、新陳代謝です。

党役員に中堅若手を大胆に登用し、自民党を若返らせます。
比例73歳定年制を堅持いたします。そして、青年局、女性局の役員を党本部、都道府県連、さらには選対本部の役員に加えます。

 

2つ目は、権力の集中と惰性の防止です。

党役員の任期を明確化し、総裁を除く党役員の任期を1期1年、連続3期までといたします。

 

3つめは、地方との連携強化です。全国幹事長会議、政調会長会議、これを月1度オンラインで実施し、地方の意見を党運営に反映いたします。また、自民党イントラネットを構築し、政策や活動をリアルタイムで全国の組織・議員と共有してまいります。

そして、党員募集、党費納入、こうした党員との接点のデジタル化を進め、次期総裁選挙は、オンライン党員投票を実現することを目指してまいります。

 

4つ目は、政策グループの強化です。

毎年の骨太や予算編成を目指した1年ごとの政策立案サイクルに加えて、中長期的な国家戦略を立案するための仕組み、これを構築します。

また、EPPMの強化に取り組んでまいります。

小選挙区制の導入により、党の役割が格段に強まったにもかかわらず、党運営、マネジメントの改善は手つかずでありました。

 

いま申し上げた点を含め、党の運営を近代化するために、党に、自民党版ガバナンス行動検討委員会を設け、外部の意見も聞きながら、自民党改革を徹底的に進めてまいります。

 

こうした具体策を提示している私にしか改革は実現できません。

 

総裁選挙にあたりまして、3つの約束、3つの政策についてお話をさせていただきます。

 

私は、民主主義を守り抜くために、国民の皆様に3つの約束をいたします。

 

第一に、国民の声を丁寧に伺います。

私自身が現場に足を運び、国民の皆様の声を聞き、政策に反映してまいります。

 

第二に、個性と多様性を尊重する社会を目指します。

若者も高齢者も障がいのある方も、そして、女性活躍を進め、性別にかかわらず、すべての人が居場所を見つけ、生きがいを感じられる社会を目指します。

 

第三に、みんなで助け合う社会を目指します。

コロナ禍を通じて、我々は改めて、家族・仲間の絆の大切さに気付かされました。

もちろん、自助の精神は大切です。しかし、人は一人では生きていけません。デジタル化が進む現代だからこそ、人の温かさ、つながりが感じられる社会を目指します。 

 

生活面でも、国民の生活を守り、国民の所得を増やす3つの政策をお約束いたします。

 

第一に、コロナ対策です。

コロナとの戦いには国民の皆様の協力が不可欠です。そのためには、政府方針に対する納得感が不可欠です。

私は方針の内容、必要性、決定に至るまでのプロセス、これらを自ら丁寧に説明いたします。また、危機管理の要諦は、最悪の事態を想定するということです。多分よくなるだろうでは、コロナに打ち勝つことはできません。常に最悪の事態に備えながら、対策を講じてまいります。

 

そして、当面の目標は、withコロナを前提に季節性インフルエンザと同様、従来の医療提供体制の中で対応可能とし、通常に近い経済社会活動を1日も早く取り戻すということです。

 

病床、医療人材の確保、徹底した人流抑制とそのための数十兆円規模の経済対策、ワクチン接種促進、治療薬の開発・普及などの対策を全体像を示しながら実行してまいります。

特に経済対策については、非正規、女性、子育て世代、学生など、コロナでお困りの方々、自粛に協力いただいている事業者の方々、米価の下落に大変苦しんでおられる農家の方々、こうした方々に、きめ細やかな対応をしてまいります。

そのうえで、感染症時代を迎えた今、将来の感染症危機発生にも備えた法改正、そして司令塔機能を持つ健康危機管理庁の設置に取り組んでまいります。

 

第二に、新しい資本主義の構築です。

新自由主義的政策を転換いたします。
市場や民間に任せればいいという時代は終わりました。国と民間が共同し、産業を興し、守り、そして国民生活を豊かにする、そうした経済が求められています。

新自由主義政策は、成長をもたらしました。しかし、一方で、富めるものと、富まざるものの分断が生じています。また、コロナによって格差が拡大いたしました。

今こそ、成長と分配の好循環による新しい日本型の資本主義を構築し、全国津々浦々すべての皆さんに成長の価値を実感していただくときです。

まず、成長については、頑張る民間企業の挑戦・投資を大胆に支援いたします。産学官連携による科学技術とイノベーションを政策の中心に据えます。そして、科学技術が生み出しシーズが、海外ではなく国内で産業化できるようスタートアップの徹底支援などを通じて新たなビジネス、産業創出に努めてまいります。

 

分配については、まず民間における分配、強化いたします。最近の日本企業を見ていると、利益が出ても賃上げは十分に行わず、配当を増やすなど短期的な利益を追求しています。企業が長期的な視点に立ち、株主のみならず多くの関係者を大事にする「三方よし」の経営を行うことができるよう、四半期開示の見直しなど基本的なルールの見直しを検討してまいります。こうした民間における取り組みを補完するのが公的な分配です。中間層の拡大に向け分配機能を強化し、所得を引き上げる「令和版所得倍増」を目指してまいります。例えば子育て世帯にとって大きな負担になっている住居費、教育費への支援、強化してまいります。民間に賃上げを求める以上、国自身も努力しなければなりません。

賃金が公的に決まる看護師、保育士、介護士、こうした方々については公的価格を見直し、収入を思い切って引き上げます。さらに成長の果実を地方に大胆に分配してまいります。新しい資本主義の象徴は地方です。5Gをはじめとするデジタルインフラの整備を進め、都市と地方の物理的距離を乗り越える「デジタル田園都市国家構想」を実現してまいります。また田園都市国家を支え、国際競争力を維持する交通、物流などのインフラを整備するとともに、災害に強い地域づくり、そして東日本大震災からの復興を進めてまいります。そして地域に寄り添い、現場を重視した、多様な豊かさをもつ農業、農村を実現してまいります。多面的機能の維持や、食料安全保障の観点から、中小家族農業や中山間地農業の支援を強化するとともに、米をはじめ、国産農畜産物の需給、価格の安定など農業者の所得向上に向けて政策を総動員してまいります。

そして第3に、国民を守り抜く外交、安全保障です。世界の平和と我が国の安全を断固守り抜いていく、そのために3つの覚悟をもって臨みます。まず、自由、民主主義、人権、法の支配といった基本的な価値を守り抜く覚悟です。権威主義的な体制が勢いを増す中、台湾海峡などの課題に米国、欧州、インド、豪州、あるいは台湾、基本的価値を共有する国、地域とともに毅然と対応してまいります。次に我が国の領土・領海・領空を断固として守り抜く覚悟です。海上保安庁の能力強化、自衛隊との連携強化、ミサイル防衛力の強化、国家安全保障戦略の改定、インテリジェンス機能の充実などに全力で取り組んでまいります。

また地球規模課題において世界を主導し、人類に貢献する覚悟です。温暖化問題、核廃絶、宇宙海洋の開発利用、防災などの課題でリーダーシップを発揮してまいります。以上私はこの3つの政策を通じ、すなわちコロナ対策においては国民の皆さんに協力をお願いし、そして新しい日本型の資本主義に置いては格差にしっかりと向き合い、多くの皆さんの所得を引き上げ、そして外交安全保障政策においては国民の皆さんの命や暮らしをしっかり守っていく、こういった政策を通じて、国民が一体感を実感できる国を作ってまいりたいと思っております。

この総裁選挙の先には衆議院選挙、そして来年夏には参議院選挙があり、安定した政治、寛容で丁寧な政治を実現することで、この二つの選挙に勝利し、国民の負託に応えていこうではありませんか。以上申し上げて出馬表明とさせていただきます。ありがとうございました。