今回の新型コロナで分かったことが7つある。
①なんだかんだ日本の官僚は優秀
②現状、政権を運営できるのは自民党しかいない
③日本維新の会の可能性
④維新を除く野党のバカさ加減
⑤マスコミがクソなこと
⑥(テレビに出てくる)専門家は信用できないこと
⑦イデオロギーは変わっていないこと
新型コロナウィルス対策はまだ終わってないし、これからもっと感染が拡大していく可能性もあるけど、とりあえず今までの色んな対応を見て思ったことはこの7つ。
日本は変わらなければならない。
人口減少・少子高齢化、個人の多様化、複雑に変わっていく国際社会。
大変動の時代において、新しい流れを見極めながら、生き残っていかなければならない。
このまま衰退してたまるかよ。
そのために、今回のコロナショックは、様々なことを見極める機会になると感じている。
これから日本はどうあるべきなのか?
今回気付いた7つのことは、それを考えるためにいい機会になると思う。
では、順番に説明していきます。
- 各国の人口と感染者数と死者数
- 各国の人口100万人当たりの感染者数と死者数
- 感染者数は対応を評価するうえで意味を持たない
- 死者数は嘘をつかない
- 人口100万人あたり死者数の分析
- 日本政府の対応で良かったこと
- PCR検査は増やすべきか?
- 日本の官僚の優秀なところ
- 国民をバカにしている官僚組織
- 官僚組織の限界
- 民主主義は政治
各国の人口と感染者数と死者数
まず初めにコロナ感染のデータを紹介しておく。
感染者が多い国の感染者数は次のとおり。
元データは、「日経新型コロナウィルス感染 世界マップ」より引用。3月17日時点。
人口は簡単に出てきた2018年データを使用。
数字は、人口、感染者数、死者数の順
中国 :1,427,648,000人、80,881人、3,200人
韓国 : 51,172,000人、 8,320人、 ,81人
日本 : 127,201,000人、 ,829人、 ,28人
イラン : 81,800,000人、14,991人、 ,853人
イタリア : 60,627,000人、27,980人、2,158人
スペイン : 46,693,000人、 9,191人、 ,309人
イギリス : 67,142,000人、 1,547人、 ,55人
フランス : 64,991,000人、 6,633人、 ,148人
ドイツ : 83,124,000人、 6,012人、 ,13人
オランダ : 17,060,000人、 1,413人、 ,24人
オーストリア: 8,891,000人、 1,016人、 ,1人
スイス : 28,526,000人、 ,200人、 ,13人
スウェーデン: 9,972,000人、 1,059人、 ,3人
ノルウェー : 5,338,000人、 1,169人、 ,1人
デンマーク : 5,752,000人、 ,906人、 ,1人
アメリカ : 327,096,000人、 3,774人、 ,41人
以上が、それぞれの国のデータだが、分母となる人口が違うから、総数だけ見ても、その国の対応がどうだったのかは分からない。
こういった場合は、人口当たりの数字を分析することが必要だ。
各国の人口100万人当たりの感染者数と死者数
上のデータを人口100万人当たりにしたのが次の数字。
数字は、感染者数/100万人、死者数/100万人の順。
中国 : 56.65人、 2.24人
韓国 :162.59人、 1.58人
日本 : 6.52人、 0.22人
イラン :183.26人、10.43人
イタリア :461.51人、35.59人
スペイン :196.84人、 6.62人、
イギリス : 23.04人、 0.82人
フランス :102.06人、 2.28人
ドイツ : 72.33人、 0.16人
オランダ : 82.83人、1.41人
オーストリア:114.27人、0.11人
スイス : 7.01人、0.46人
スウェーデン:106.20人、 0.3人
ノルウェー :219.00人、0.19人
デンマーク :157.51人、0.17人
アメリカ : 11.54人、0.13人
感染者数は対応を評価するうえで意味を持たない
日本のデータを見ると、人口100万人あたりの感染者数がダントツで少ない。
ただし、この数字には意味はない。
人口100万人あたりの感染者数が少ないからと言って「日本の対応が良かった」とは言えない。
皆さんお気づきだとは思うが、日本は検査数が少ないから感染者数も少ない。
だから、このデータだけでは、政府の対応が良かったから感染者数が少ないとは言い切れない。
これは各国も同じで、積極的に検査をする国は感染者数が多くなり、
日本のような場合、感染者数は少なくなる。
また、どのみち正確な感染者数は分からない。
特に、今回は軽症や無症状の感染者もいるらしいので、その傾向(正確な感染者数が分からない)は強いと思う。
正確な感染者数を把握するためには全国民を検査するしかない。
ただし、例え、全員を強制的に検査したとしても、検査後に感染する場合もあるだろうから、正確な感染者数が知りたければ、14日に1回とか、定期的に全国民を検査する必要がある。
これを全世界ですれば、感染者数は意味を持つことになるけど、現実的にそんなことはできないことは分かっていただけると思う。
このように、そもそも正確な感染者数は分からないし、各国の検査数(検査方針)に差があるのが現状で、こんな状況では、感染者数のみでは「その国の対応がどうったかのか?」は分からない。
政府を評価するうえで、感染者数は意味を持たないのだ。
死者数は嘘をつかない
一方で死者数。
こちらは嘘つかない。
総死者数は正確な数字だし、肺炎重症者は、どこの国であれ、基本的には検査を受けているはずだ。
また、万が一検査を受けずに死亡したとしても、日本の場合は、肺炎での死亡者は基本的に全員が検査されている。
先日、死亡後に新型コロナウィルスに感染していたと判明するケースもあった。
だから、新型コロナウィルスに関する死者数は嘘をつかない。
また、死者数が少ないということは、封じ込めや蔓延防止を含めた医療などの対策が上手くいった証でもある。
イタリアの医療崩壊を見ると、政府対応の良し悪しが死者数に響くことがよく分かる。
政府の対応を評価するためには、死者数を分析するべきなのだ。
人口100万人あたり死者数の分析
ということで、人口100万人あたりの死者数を見ていく。
日本は、100万人あたりの致死率が0.22。
これは、イタリアの35.59やイランの10.43をはじめ、スペインが6.62、中国2.24、韓国でも1.58と、比較的大きく感染が広がった国と比べると低い数字だ。
アメリカや北欧諸国と比べると若干高いが、これは感染が始まったばかりの国と、既に蔓延した国との差なのかもしれない。
(アメリカ等はこれから死者が増える可能性もある。)
また、新型コロナウィルスは高齢者の致死率が高いと言われている。
日本での死者もほとんどが高齢者だ。
その意味では、国の高齢化率は致死率に直結すると考えられ、日本政府を評価するうえでは、ダントツ世界1位の高齢化率でこの程度の致死率ということも考慮すべきだろう。
※イタリアは、日本に次ぐ世界第二位の高齢化率。
このように、コロナ対策において日本は良くやっている。
連日、その対応に多くの批判を受ける政府だが、他国と比べると上手くやっているのだ。
(参考)国別高齢化ランキング(2019)
1位:日本 27.58
2位:イタリア 22.75
3位:ポルトガル 21.95
4位:フィンランド 21.72
5位:ギリシャ 21.66
6位:ドイツ 21.46
7位:ブルガリア 21.02
8位:クロアチア 20.45
9位:マルタ 20.35
10位:スウェーデン 20.10
18位:スペイン 19.38
37位:アメリカ 15.81
50位:韓国 14.42
65位:中国 10.92
103位:イラン 6.18
日本政府の対応で良かったこと
では、いったい日本のどこが良かったというのか。
発生当時の水際対策(中国からの渡航禁止など)は遅れたし、クルーズ船のダイヤモンド・プリンセス号への対応では全世界から避難轟轟だった。
また、PCR検査についても、「もっと検査数を増やせ!」との声が全国的に高まる中、一向に改善は見られなかった。
突然の学校休校要請にも批判が多かった。
政府与党は後手後手、野党は批判だけで政府の邪魔をするだけ。
多くの国民はこんな風に感じているのではないだろうか?
でも、政治がだらしなくても、日本は官僚が優秀だ。
論破せずに、ノラリクラリ批判をかわしながら、正しい対応を行う。
与党と野党の政治家がガチャガチャやっている間に、正しい対策を粛々と進めていく。
後手後手に見せつつも、実は正しい対応は進んでいる。
日本の官僚組織は、ある意味で国民を騙しながら、正しい道へ導くことに長けている。
PCR検査は増やすべきか?
その最たる例がPCR検査。
「もっと検査せよ!」「検査数を増やせ!」
ずっとこんなことが言われ続けてきた。
ヒドイ場合は、「検査数を増やすと感染者数が増えて東京オリンピックに影響するから、政府はあえて検査しないようにしている。」とか、「安倍政権の陰謀だ。感染者数を少なく見せたいだけだ。」「感染者数の隠蔽だ!誤魔化しだ!」などという、根も葉もない陰謀論まであった。
でも、なにを言われようが、日本政府は検査対象を増やすことはしなかった。
これは、ひとえに医療崩壊を防ぐためだ。
「咳が出る」「喉が痛い」「微熱がある」
今のこんな状況で、このような症状がある人は「コロナかも」と不安になることだろう。
自分も先日熱が出て不安になったものだ。
でも、そういった人たちが全員検査を求めて病院に行ったらどうなる?
検査だけで、病院がオオゴトになることは目に見えている。
また、検査をして「陽性」が出たところで治療法がない。
現状、治るまで安静にするしかない。
しかし、陽性が出た以上、「家でゆっくりしてて。」は通じない。
「なんとか治療をしてくれ。」
「入院させてくれ。」
ということになるだろう。
検査を広げると、医療機関は検査自体も大変だし、結果、陽性となった軽症患者の治療にも手が取られる状況となる。
それがどんどん広まれば入院ベッドが不足する事態になるかもしれない。
病院はコロナ患者だけを治す場所ではない。
毎日様々な検査をしているし、多くの人を診療・治療している。
コロナより優先すべき患者はたくさんいる。
日本は、これらを考慮して検査すべき人と、しない人のサビ分けを行った。
検査数を絞ることで、医療機関のピークを緩やかにし、重症者に対応できる余裕を作ったのだ。
また、病院に検査を求める人が集まることを予防することで、病院がクラスターとなることを防ぐという意味もあっただろう。
未だに「もっと検査しろ!」と言う人もいるが、他国の状況や発言を聞いても「必要な人のみ検査」が正しい方法だということは間違いないと思う。
米ブルームバーグ通信はWHO関係者の話として、
「イタリアは、検査をやり過ぎて害を及ぼしたように見える。」と伝えた。
日本は比較的早い段階で感染が広まった(世界各国の対応を参考にできない)にも関わらず、この検査方法を誤らなかった。
厚労省、グッジョブ!なのだ。
日本の官僚の優秀なところ
でも、政府はこれを堂々と国民に説明しない。
国会答弁でも、記者会見でも、「必要な人が検査を受けられる体制を整える。」としか言わない。
無駄な議論を省いているのだ。
「もっと検査せよ!」に対して、「医療崩壊を防ぐために・・・検査数は増やさない。」などと正直に答えると、更なる反論がくることは簡単に予想できる。
例えば、
「検査して陽性でも軽症なら治療はしない。自宅で安静にしてもらえばいい。だから、検査だけでもガンガンした方がいい。」という意見が実際にある。
これに対しては、「いやいや、そんなこと言ったって、病院に来る人は来るし、治療してもらおうとワザと苦しそうにする人もいるかもしれない。」という反論が考えられる。
そうなると、
「国民を信じられないのか?」などという、もう何を議論しているのかすら分からない話になるかもしれない。
だから、最初の一発目で議論を終わらせてしまう。
「検査をもっとせよ!」→「必要な人が検査を受けられる体制を整える。」と、一見「分かりました。了解!」と言っているフリをする。
「検査する人をサビ分ける」という対応は変えていないけど、まるで「分かりました!」と言っているかのようにかわすのだ。
メンドクサイ議論に蓋をすることで、なるべく早く物事を正しい方向に導いていく。
こうやって、日本の官僚組織は、前を切ることが苦手な日本のリーダー(政治家)たちの弱点を上手くカバーしている。
逆に言うと、政治がリーダーシップを発揮しないから、このようなやり方が官僚に染みついたのかもしれない。
結果として、今回もこの優秀な官僚組織によって他国と比べて死者数が少なくなっている。(今のところ)
実は、自分も始めの頃は、「なんでもっと検査しないんだ?」と思っていた。
それが間違いだと気付いたとき、今書いているようなことを考えたんだ。
そして、なにかと問題を起こし、隠蔽し、税金からジャバジャバ給料を貰う公務員はバッシングの対象になることが多いけど、まだまだ日本の官僚(国家公務員)は優秀なことを再認識した。
政府の対応に不満がある人は多いと思うけど、国際的に見れば間違いなく「良い対応だった」と言えるのではないだろうか。
これは、安倍首相率いる自公政権が良かった部分もあるとは思うけど、やはり各対策を実行していく官僚組織の優秀さがあってこそだ。
それにプラスして、自粛や予防対策に素直に従う日本人独特のイデオロギーが貢献した部分も大きかったと思うけど、それはまた今度書こうと思う。
とにかく、今回の対応で、まだまだ、なんだかんだ日本の官僚組織が優秀なことが良く分かった。
でも、だからこそ、このままじゃダメだと、日本は変わらなければならないとも感じるのだ。
国民をバカにしている官僚組織
ここまで書いてきたとおり、コロナ対策において、官僚が優秀なことを再認識した。
ノラリクラリと議論を避けながら、正しいことを前に進める。
これが官僚の必殺技だ。
というか、日本の官僚はこれしかできないだろう。
正面から正しいことをハッキリ言って国民を動かすことはできない。
また、それはそもそも政治家の役割だ。
政治家が情けないから、官僚が公務員の役割の範囲で最大限に力を発揮する方法を積み上げてきたのが日本で、それで発展してきたのが日本なのだ
しかし、悪く言うと、これは国民をバカにしていることに他ならない。
「どうせ一般の国民に説明しても理解できないだろう。」
「マスコミに本当のことを言ったら理解せずバカ騒ぎするだろう。」
官僚たちは、こんな悪いことを考えながら仕事をしているわけではないと思うけど、やっていることを考えればこういうことになる。
官僚は、「明らかにこうするべきだ。」とハッキリ分かっている事案でも、無駄な議論を避けるためにノラリクラリ作戦を使う。
これは国民を正しい方向に導きながら、バカにしていることにことに他ならないのだ。
官僚組織の限界
もうそろそろ限界だと思う。
目まぐるしく変わっていく現代社会において、ノラリクラリ作戦では、いくら議論を避けて早い対応をしようとも変化のスピードについていけないだろう。
また、人々の価値観も多様化した。
「どうせ国民には理解してもらえない」けど「正しい方向に進める」ことが官僚の必殺技だが、今は、国民一人一人で「正しい方向」が違ったりする。
スピード感がなく、正しいことを決め打ちする施策を行う官僚組織では、これからの社会にはついていけない。
これまでのように官僚主導で物事を進めていくことは限界なのだ。
民主主義は政治
日本は、民主主義の原点に帰らなければならない。
民主主義は多数決が原点だ。
多数決の具体的な方法が選挙だ。
選挙で選ばれた人が政治を行う。
これが民主国家の運営方法だ。
日本は、この基本に立ち返らなければならない。
そういった意味では、戦後最長政権となった安倍政権は戦後最高のチームだったと言えるだろう。
経済対策をはじめとして、多くの成果をあげてきた。
また、橋下徹氏から始まった「おおさか維新の会」は、大阪というイチ地方だが、政治のリーダーシップで大改革を成し遂げ、さらに前に進んでいる。
今回のコロナ対策においても、大阪が全国の自治体を引っ張ったと言っても過言ではない。
(全国が大阪の真似をしている。)
このように、日本にもリーダーシップを発揮する政治家が現れてきた。
(次回に続く)
今日は、「コロナ対策で分かったこと①官僚が優秀なこと」について書きました。
はじめに書いたように今回分かったことは7つあります。
(あと6つもある・・・)
次の②・③・④は政治家の話になります。
よろしければ続けて読んでみてください。